エネがえるASP:電気代上昇率を加味して診断したい

エネがえるASP:電気代上昇率を加味して診断したい

エネがえるASP(家庭用)の長期効果診断では、電気代上昇率(%)を加味したシミュレーションが可能です。
※ただし長期経済効果の診断結果のみに反映されます。月平均の効果額内訳には反映されません。ご留意ください。

電気代上昇は、一般消費者・需要家としては非常に悩ましいものであると同時に、太陽光発電設備や蓄電池を提案される皆様にとっては、自家消費効果を施主や需要家に訴求する際の最大のポイントになる世の中のトレンドとなります。

電気代の構造や、電気代上昇といっても、
電力会社の基本料金がアップするのか?
従量単価がアップするのか?
LNG等の価格高騰等により燃料調整費がアップするのか?
中長期的に上昇が確実視されている再エネ賦課金がアップするのか?
政策動向により消費税がアップすることで電気代実質負担も上昇するのか?
などいろいろな上昇要因があります。

それらの背景を押さえた上で使っていただくと、よりお客様に響く提案となると思います。

▼電気代上昇率を加味するには?
下図の診断結果画面の、黄色下線部分の数字を変更するだけです。累計お得額の合計、グラフ、表組みの数値が変わります。
初期値は「2%」となっています。これは電気料金単価、燃調費単価、再エネ賦課金等をひっくるめて毎年2%は確実に上昇すると想定されているためです。
電気代上昇率は2%前後が相場と言われていますが、販売施工店によっても様々です。2%を基準として1%~4%の幅で比較したり、会社として一律3%と決めて提案されていたりと様々です。ここは考え方次第、あるいは施主やお客様との信頼関係や前提となる関係性によって各社で前提条件として決めていただく必要があるかと考えます。エネがえるとしては、上記のような提案の前提材料やエビデンスを集めてご提示することで皆様が提案しやすい環境を整備したいと思います。

以下は、同じ条件での太陽光・蓄電池セット提案を上昇率2%(初期値)・0%・3%でシミュレーションし、導入15年の効果額がそれぞれどう変化するか?を見た例です。

電気代上昇率2%の場合:15年の累計お得額は1,705,312円


電気代上昇率0%の場合:15年の累計お得額は1,512,835円
上の図にある電気代上昇率2%の診断結果よりも長期効果額(お得額)は15年で192,477円減少します。


電気代上昇率3%の場合:15年の累計お得額は1,814,888円
一番上の図にある電気代上昇率2%の診断結果よりも長期効果額(お得額)は15年で109,576円増加します。電気代上昇率0%の場合と比較すると15年で302,053円増加します。

つまり電気代上昇によって、太陽光・蓄電池の導入効果(発電電力の自家消費による電気代節約)がアップするということがイメージできるかと思います。


▼出力レポート(PDF、Excel)の見かた
7p目「長期シミュレーション」のページに反映されます。(下図 黄色い下線の箇所)
電気代上昇率 想定:年率3% →自分で数値を3%に変えた場合の長期効果が表示されています

※別途電気代上昇率0%だった場合に、長期経済効果がいくらか?という結果も右下に小さく記載しているため、比較してもらいやすい構造にしています。



▼背景となる電気代上昇の構造/電気料金高騰の構造について
昨今、国際的な燃料費高騰、ウクライナ情勢や厳冬要因、地震災害等による火力発電一時停止など様々な要因で一般家庭における電気代高騰がメディアにも頻繁に取り上げられています。

電気料金の内訳 は、以下の図(出典:経済産業省資源エネルギー庁:月々の電気料金の内訳より のように①基本料金+②電力量料金±③燃料費調整単価+④再エネ賦課金といった構成になっています。エネがえるの料金単価DBでは、①②③を月1回月末に更新、④を年1回再エネ賦課金決定後に年1回更新しております。

そのため、各小売電力事業者の料金単価(基本料金、電力量料金単価)の変更はもちろん、今後高騰が予想される燃料費調整単価についてもそれを加味したシミュレーションとなります。(※ただし、メンテナンス時期や、ユーザーが診断する際の基準月の考え方により、時期ズレが発生する場合がございます)。

特に燃料費調整単価については、燃料費の上昇が約3~5ヶ月遅れで電力事業者の燃料費調整単価に反映されるため、例えば2022年2-3月の燃料費高騰の影響は、一般家庭を含む需要家には3~5ヶ月遅れの2022年5~8月にかけて燃料費調整単価アップ→電気代上昇という流れで影響が出てくると予想されています。

同様に、毎年1回今後も中長期的に上昇が想定されている再エネ賦課金の反映についても年1回の決定時期前後の反映によりシミュレーションに反映されます。

エネがえるの電気代上昇率(%)の考え方では、これら①②③④を含めて毎年任意の%を入力することで、どれだけ自家消費による経済効果がアップするか?あるいはダウンするか?を診断結果に反映できる仕組みとなっています。


参考 : 電気料金単価の推移

震災前(2010年)と比べ、2021年度(11月時点まで)の平均単価は、家庭向け(低圧電灯)は約27%上昇(※消費税、再エネ賦課金含む)
→つまり、約10-11年の間、年による変動はありますが、毎年平均2.45%~2.7%程度上昇していると換算できます。



参考 : 電力卸価格の推移と直近の状況(スポット市場システムプライス推移)
出典:経済産業省資源エネルギー庁 「スポット市場価格の動向等について 」2022年2月18日

電力の小売価格が22~27円/kWh前後だとすると、以下の直近の卸市場価格を見ると卸市場からの調達のみでは確実に逆ザヤ、あるいはほぼ中長期的に赤字構造になってしまう様子が見て取れると思います。


卸市場価格の高騰コマの発生状況 は以下をご参照ください。大幅に小売価格を上回っている(東京エリアでは小売価格20数円の4倍近い80円/kWhに張り付く局面も)ことがわかります。



参考:燃料調整費単価の推移(低圧)
出典: 燃料費調整単価の推移 |新電力ネット



参考 : 燃料費変動による燃料費調整額の反映タイミング



参考:再エネ賦課金の推移と2050年までの見通し

産業用太陽光の固定買取価格が見直される 2032年前後(産業用の卒FIT)までは再エネ賦課金は上昇すると推測されます。

Powered by Helpfeel